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「ブルウィップ効果」の話は過去のメールニュースでも何度か取り上げました。ブルウィップ効果とは、商品需要の変動が、サプライチェーン(供給網)を遡るにつれ増幅される現象です。

映画「インディジョーンズシリーズ」で主人公は鞭(ウィップ)振り回しますが、その鞭の動きになぞられています。

物理的なブルウィップ効果はロットまとめが原因となることが多いのですが、大きな問題になりやすいのは物理的な問題よりも、中間業者などの思惑による先行手配(買占め?)を原因とするものです。

代表的なブルウィップが、コロナ禍におけるマスクや半導体不足でした。昨年のコメ騒動や現在の石油関連製品不足、また半導体製造装置の販売急増などもブルウイップ効果の代表といえるかもしれません。過去のブルウィップ効果では、中国系業者の大量買い占めが問題視されましたが、石油製品では日本の大企業の在庫確保の動きも無視できない状況にあるようです。

ブルウィップ効果が起きると次のような問題が起きます
・各流通段階で品不足が発生し、必要なものを入手できない人がでてくる
・不足している商品の価格が高くなり、インフレになりやすい
・必要とする部品や材料が手に入らずに商売に支障をきたすメーカーがでてくる
・在庫過多に反転するときに急激な資金不足や利益減小に陥りやすい

経営学の教科書やSCMの解説などでは、サプライチェーン上のモノの動きを透明化することでブルウィップ効果を抑制する話がでてきますが、現実問題として透明化は難しいと思います。

材料手配から商品販売にわたるサプライチェーンは非常に複雑化しており、国内外の関連業者も

多岐にわたります。中にはずる賢く立ち回る人もいるでしょうし、それをすべて透明化するという

のはさすがに不可能です。

近年問題になりつつあるのが、大企業におけるERP導入です。ERPは在庫の極小化や自動手配などによる経営効率強化を推進します。商品調達や部材調達も安定的な在庫補充を前提としていますが、ブルウィップ効果への対応力はあまり考慮されていません。ひとたびブルウィップ効果が発生すると、調達現場や生産現場は担当者による予防的な増量判断に走らざるを得なくなります。これはブルウィップをさらに増幅させる動きにつながります。現在の石油製品不足でもこの人間による追加調達判断の影響が、中小企業の多い中間業者や資材業者などの経営を苦しくしている可能性が高いです。

ブルウィップ効果による混乱ですが、人手不足が深刻化することで今後の日本経済を直撃してくる可能性があります。「欲しいときに欲しいものが手に入らない」、これは「欲しいときに欲しいものを計画的に手に入れる」ことを前提にしたERPシステムのロジックに対して障害となりやすい話ですので、ERPによる効率化を目指した企業ほどブルウィップ効果に対する耐久力が大きく低下している恐れがあります。

今後はいきなり全体的なブルウィップ効果の蔓延というよりも、局所的なブルウイップ効果が次々と起きるという事態が広がっていくのではないかと思います。企業にとっても消費者にとってもブルウィップ効果への対策を根本から考えざるをえない時代に突入してきたように思います。

ブルウィップ効果に関して質問等があればご連絡ください。

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